【ゲームのお仕事!】SQUARE ENIX 2Dイラストレーター 林のはらインタビュー

スクウェア・エニックス 林のはらインタビュー

株式会社スクウェア・エニックスで2Dイラストレーターとして『聖剣伝説ECHOES of MANA』のキャラクターデザインやイラスト監修を担当している、林のはらさんにインタビュー!ゲーム業界を志したきっかけや、歴史あるシリーズタイトルの世界観を表現するにあたっての心がまえなど、お仕事の中で大切にしていることを伺いました。

 

 

 

プロフィール:林 のはら

 

多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業後、グラフィック制作会社を経て、スクウェア・エニックスに入社。

『聖剣伝説ECHOES of MANA』ではキャラクターデザインを担当し、2Dイラストレーターとして活躍中。



イメージを超えるアートを目指して

 

―業務内容を教えてください。

 

主にキャラクターデザインやお取引先様へ発注したイラストの監修業務を担当しています。


『聖剣伝説ECHOES of MANA』のキービジュアルなど、大きく使用されるイラストは、ラフから仕上げまで自身で描き上げたものです。

カードイラストなどの量産は、指標となるイラストを1枚描き、それを元に制作会社へ発注しています。


スクウェア・エニックス(以降、SQEX)でのイラストの仕事は、企画職の方と一緒に実現したいアートを試行錯誤しながら作り上げます。

依頼内容に準じて描くことが必要な場面もありますが、自らのイメージを超えたより良いアートを表現したいと思っている方もいるため、臨機応変な提案力が求められます。


昔先輩からもらった「言われたものをただ描くのではなく、キャラの性格や好きなものを考えて提案をしてほしかった」という言葉に衝撃を受けました。

相手が望んでいるものを一歩踏み込んで汲み取れるように自ら質問し情報を取りに行くなど、日頃のコミュニケーションを大事しています。

 

『聖剣伝説ECHOES of MANA』のキービジュアル

 

―1991年に誕生した『聖剣伝説シリーズ』に携わるにあたって、準備したことはありますか?

 

『聖剣伝説シリーズ』をプレイし、シリーズへの理解を深めました。
今作は旧作リメイクを手掛けたイラストレーターのHACCANさんの絵柄を守ったうえで描く必要がありましたので、イラストの分析が重要でした。

 

また長く愛されてきたシリーズですので、ファンの方々がどう思っているかなども知るためにファンアートを見たり、聖剣伝説が大好きなスタッフに意見をもらったりもしました。

歴史あるタイトルの『聖剣伝説シリーズ』を、オールスタースマホゲームとしてその世界観を表現するにあたって、原作の設定を壊さず、かつオリジナルのストーリーを成り立たせ、キャラクターと絡ませていくのはとても難しかったです。

 

シナリオライターさんも同じ課題を持たれていて、イラストだけでなく世界観の設定段階から試行錯誤の連続でしたね。

世に出すまでは受け入れていただけるか、ドキドキで不安でした。

リリース後にユーザーの皆さんから好意的な反応を頂き、やっと手ごたえを感じることができました。

 

『聖剣伝説ECHOES of MANA』女主人公と男主人公のイラスト

↑左:女主人公 右:男主人公

 

 

人とのふれあいの中で生まれる「もっと上手くなりたい!」という気持ち

 

―「絵を描く」こととの出会いやきっかけを教えてください。

 

物心がついたときからお絵描きが好きで、中学時代には明確に美術を好きになり、美大進学を決めていました。

高校は普通科でしたが、「もっと美術をやりたい!」とやきもきしていましたね。
美大受験のために美術予備校に通うようになり、絵に真剣に取り組んでいる友人に囲まれることで、モチベーションが上がっていきました。

 

―ゲーム系の進路を志したきっかけを教えてください。

 

きっかけの一つはデジタルイラストとの出会いです。

大学時代に出会った上手い友人に触発され、自分ももっと描けるようになりたいとのめり込んでいきました。

 

また、同時期に大学のサークル活動でチーム制作の楽しさに目覚め、チーム制作かつデジタル環境であるゲーム開発の仕事が自分のスタンスに合っているのではと思いました。

最初はゲームイラストの制作会社に入社しましたが、もっとゲームの企画段階から関われる仕事がしたくなり、当時『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』をプレイ中に「SQEXなら企画から関われる絵の仕事があるのでは」と思い、転職を決めました。

 

入社後はオリジナルタイトルで企画段階からキャラクターデザインを担当させてもらいました。

入社早々の大役で、ゼロベースからのキャラクターデザインに苦戦し、悔しい思いをした事も多かったです。

チームメンバーに迷惑を掛け落ち込んでいたときに、先輩に「チャンスを逃しても、続けてさえいればまた次のチャンスが来る。その時にきちんとバットを振れるようにまた頑張ろう」と励ましていただきました。

自分としても「失敗したままでは終われない!」と、そこで何とか心を折らずに続けることが出来ました。

 

左:リース 中央:キルト 右:キルテ

↑左:リース 中央:キルト 右:キルテ

 

 

自分自身が好きなコトやモノを大事にしてほしい

 

―イラストレーターとして活躍するにあたって役に立った経験があれば教えてください。

 

様々なクリエイティブに触れることかなと思います。

学生の時に見ていた作品が今になって仕事のネタの引き出しになったり、スタッフと話す際の共通イメージになることもあります。
感性が若く敏感な時期に多くの作品に触れ、作品や絵に対して好きな部分を分析し、それを表現できるようにすると良い訓練になると思います。

美術予備校時代に「自分の好きなモノの切り抜き集め」ファイルを作っていたのですが、自分がどういうものに興味があるか客観的に見られるのでとてもおススメです。

 

また、会社員イラストレーターとしては、自分の得意分野を持ちつつ、他ジャンルへも興味を持ちストライクゾーンの幅を広くすることも意識していて損はないかと思います。
SQEXからもアニメ系からリアルテイストまで様々な作風の作品がリリースされており、テイストの幅を持っていれば、デザイナーとしてその分多くの打席に立つことに繋がると思います。
私の場合は人物関係が得意ではあるのですが、それだけではなく色々なものを描けるように絵柄の幅広さも持つようにしています。

 

―「絵を描く(関わる)」仕事に就きたい学生の皆様に、メッセージをお願いします。

 

「自分自身が好きなコトやモノを大事にしてほしい」と伝えたいです。
夢中になれる好きなことがあれば、勉強や学校で多少へこむようなことがあってもそれが人生の支えになり、結果として乗り越える力になります。

私も学生時代、辛いことがあった時好きなコトやモノに何度も救われてきました。


好きなことを軸にすると努力も楽しくできるし、絵を描くことが好きということ自体がとても素敵な一つの個性でもあると思います。

学生さんにはその個性をぜひ大切にしていってほしいです。

 

 

素材をイチから作ることなくイメージ通りの表現ができる

 

― CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)はどんな場面でご利用いただいているのでしょうか?

 

『聖剣伝説ECHOES of MANA』のイラストでは全工程で使用しています。

赤入れなどのディレクション作業もCLIP STUDIO PAINTで完結しています。

 

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を全工程で使用しています。

 

―お気に入りの機能があれば、教えてください。

 

フォルダにまとめて切り取り、自由変形をかけられる機能は非常に役に立っています。
『聖剣伝説ECHOES of MANA』のイラストは厚塗りですが、線画等レイヤーを分けています。

それを1枚1枚ちょっとずつ動かして…などせず、一括で直して後から塗るなどの修正ができた時は衝撃を受けました!


ブラシの種類も多く、厚塗り伸ばし用のブラシを一から作ることなく、イメージ通りのものをすぐに見つけられたこともありがたかったです。

 

結合男子

結合男子

 

■対応OS:Nintendo Switch™ / iOS / Android
 ※ダウンロード専売
■ジャンル:友情結合シミュレーションアドベンチャー
■価格:

 【Nintendo Switch™・通常版】3,300 円( 税込)
 ※収録キャラクター:源朔、安酸栄都、鍛炭六花、宇緑四季
 【Nintendo Switch™・追加志献官(1 体)】1,100 円( 税込)
 ※追加DLC( 全6 体):凍硝七瀬、浮石三宙、舎利弗玖苑、鐵仁武、塩水流一那、清硫十六夜
 【iOS/Android 版】基本ダウンロード無料( ストーリー課金あり)


■公式サイト:https://www.jp.square-enix.com/ketsugou-danshi/
■公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Ketsugou_PR

■開発会社:SQUARE ENIX

■コピーライト:© SQUARE ENIX

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