被写界深度を活用!さまざまな草木の描き方
漫画家のAnn Maulinaさんが、被写界深度と呼ばれる技法を用いながら、イラストの背景に使える茂みや、草、木、葉など、さまざまな種類の葉を描く方法を解説します。
被写界深度
葉の描き方を説明する前に、背景を描くときに非常に重要な被写界深度の概念について説明したいと思います。
前景・中景・後景の簡単な図は次のとおりです。
- 前景:明度、彩度が低い暗い色が使われ、モチーフは細部まで描写されます。様式化されたデザインでは、前景がシルエットとして描かれることがよくあります。
- 中景:画像の主な焦点となる階層です。他の層と比べて、最も彩度の高い色が使われています。
- 背景: 明度が高く彩度の低い色が使われ、大まかな造形で描かれます。
シンプルな丸いブラシを使用して葉を描く
この段階では、どの色を使用するか心配する必要はありません。
好みの色を選んだら、周囲の葉をいくつか描き込みます。最初に描いた円からあまり広げすぎないよう注意してください。
明るい領域と暗い領域をしっかり区別できているか確認しながら進めましょう。
最初の単純な形状から、さまざまな方向に成長する茂みを描画するための手順を紹介します。
草を描く
大きなブラシを使用して色を混ぜます。
質感の無いシンプルなブラシで、水平に草を描きます。
低木に葉を描くのと同じように、下から上に向かって描画します。
ペイントソフトのスポイト機能を使用して、色が混ざった領域から同じ色を選択し、草を描き込みます。
いくつか、別の植物を追加します。
木を描く
基本的な形が異なるさまざまな種類の木を描くための手順を紹介します。
草を描く時と同じ方法を使用して、ざっくりと色を混ぜてから、葉の塊を描き込んでいきます。
低木を描くのと同じように、ガイドとして枝の流れを描いておく事をおすすめします。
ディテールを追加します。葉の房の間にいくつかの穴を開けて空間を演出し、幹にも別の色を描き込みました。
葉を描く
最初に被写界深度について解説したように、前景のモチーフは画面の近い位置にあるため、前景の葉を個別に描画する場合があります。
個々の葉を描くために、いつも私は葉の中心線を探すところから始めます。
次の例は、写真から葉の中心線をいくつか見つけ出したものです。
葉によって形は異なりますが、通常は人体の背骨と同じように中心線があります。
この線は、葉を描くためのガイドとして使用できます。
次の例は、同じような1本の中心線から描き出した、さまざまな角度とポーズの葉です。
これらの線は、枝葉を描くときにも使用できます。
植物が異なれば、葉が枝分かれするパターンも異なります。
次の画像は、庭で見つけた3つの異なる植物の枝のパターンを示しています。
描いている葉にディテールや特徴を追加したい場合は、これらをガイドとして使用してください。
通常、私はキャンバスに描く前に、植物の名前をGoogleで検索し、形とパターンを調べておきます。
実際の枝を手に取って直接調べる場合は、細部を見逃さないように回転しながら観察できるため、より理解を深めることができます。
描画のコツ
つねに画像などの資料を参照してください!あなた自身の記憶だけで描くことは避けてください。
草、茂み、木には無数の種類があります。素敵なバリエーションと構成を作成するために、いろいろな資料を探しましょう。
すべてを詳細に描画する必要はありません。
主に焦点を当てたい部分にディテールを追加します。通常、焦点は前景または中景にあり、遠景にはあまりありません。
まとめ
最初に全体像を見て、後で細かい部分に注目して見てください。
全体に基本的な形状を描いたら、ディテールを追加する際のガイドとして方向線を描きます。
–Ann Maulina
インドネシア出身のコミック作家。代表作に『Raruurien』『Varunair』など。現在、フリーランスのコンセプトアーティストとしても活動。アートおよびデザインプロジェクトを学び、ビジュアル・コミュニケーション・デザインの学士号を取得。大胆かつ、調和のある色づかいの作品を制作している。WEBサイト
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