構造を意識する!立体的な手と足の描き方講座

人物の手足は複雑な構造をしていますが、一度足のパーツを大まかに分解して、シンプルな形に置き換えて考えてみましょう。色々な角度やポーズで描きやすくなります。手と足を描くために役立つさまざまな知識が満載の、イラストレーターのmiyuliさんによるチュートリアルです!

基本的な手のプロポーション

  意外と間違いやすいのですが、基本的な手の形状は完全な正方形や平行な線では構成されていません。 手を開くと、それぞれの指はすべて異なる方向を指します。   なぜなら、指の付け根と長さはそれぞれの指で異なるためです。指の関節も一列に並びません。 また、親指は他の指と異なる方向に動くことに注意しておきましょう。     指を折り曲げやすくするため、関節部分の皮膚は比較的ゆるく・薄くなっています。 手のひら側の折れ目は、必ずしも関節の位置と一致しません。   これらの線は、デフォルメなどの簡略化された線画では描かれない場合がありますが、関節の位置と皮膚が重なる場所を把握していると、指を曲げた絵を描くときに役立ちます。     皮膚はひだのついた布のように扱うことができます。詳しく描写したい場合は、折り目を追加します。 これらの折り目は高齢者になるほど増えるので、若い人の手では描きすぎないようにしてください。  

子供の手を描く

  子供の手の形は大人と少し異なり、指が太くて短く見え、手首が太くなります。   赤ちゃんの肉付きはすべて、指の関節と関節の周りにしわを作ります。 年とともに手の甲の指関節にできるえくぼは消えますが、その代わりに指関節の骨はより顕著に現れるようになります。      

直線と曲線を意識する

  通常、手の甲側は、戦闘や防御に使用できるように直線状で硬くなっています。手のひら側は、道具を持ったり、物に触れたりできるように柔らかくなっています。   太い直線と曲線で手の形を簡略化すると、手の動きがよりダイナミックで表現力豊かになります。 手のひら側が見えれば見えるほど、全体の形が柔らかくなります。ただし、角度や手の形によって異なる場合があります。      

爪を描く

  爪は平らではありません。爪は指の形を包み込むようにして生えています。 皮膚への入り方に注意しましょう。爪の形は人によって若干異なる場合があります。   長い爪は一直線に成長せず、長くなるにつれて少しずつ下に曲がります。      

手を描く手順

  手をスケッチするときは、パースで想像しやすいようにシンプルな手袋の形から始めることをおすすめします。   手のいろいろな部分の詳細が分からなくなってしまうかもしれませんが、それは後から補完できます。 どんなスタイルの手を描くかに関わらず、最初はシンプルにした方がいいでしょう。 そうすることで、気を散らすことなく、よりくっきりしたシルエットで手を表現することができます。   そして後から、パースと解剖学的知識を適用し、参考になる資料を探し始めればいいのです。 一番良い参考資料は鏡、またはカメラを使用して自分の手を見ることです。      

基本的な足のプロポーション

  足の裏(またはつま先の裏側)の柔らかい部分は、歩行時の安定性を高めるため足の裏の外側にあります。   足の外側は内側部分よりも低い位置にあるため、裸足で歩くときに足跡を残します。 また、つま先は一直線に並んでいません。親指のつま先は少し高くなっています。 足の薬指と小指は、より尖った形状になりがちで、他の部分よりもう少し曲がっています。     内側の足首の位置は外側の足首よりも高くなっています。 足の親指が内側の足首を押し上げるせいで、その分高くなると想像しましょう。   下肢は、直線ではなく曲線で下の足とつながっています。    

つま先を描く

  足の親指は関節が1つ少ないため、他の足の指ほど丸くなりません。 また、足の裏のかかと側と足の指の付け根の下側のふくらみは、側面から見たときに目立ちます。    

足の関節が曲がる方向を意識する

  下肢と足先は円筒状のものが積み重なっているだけでなく、動きを容易にするために足首の中でかみ合っています。 足のつま先は短いため、手の指ほどは曲がりません。また、足の指は足のかかと側には届きません。 これは、私たちが足で物をつかむ能力を必要とせず、たいてい地面と接触しているからです。    

子供の足を描く

  子供の足は小さく、柔らかく、曲線が多くなっています。   特に赤ちゃんの足はまだあまり歩いていないので、足の裏の太い部分は柔らかくて大きく見えます。 それらを覆う肉のために、足首はほとんど見えず、顕著な折り目やしわができます。  

足を描く手順

  手を描いた時と同じように、足もシンプルな形に分解するとわかりやすくなります。   足はおもに立ったり歩いたりするときに使用するため、手よりも動きが制限されます。 足の親指を他の指とは別に考えることで、ダイナミックなポーズを見つけられます。   足の裏は、角度によっては少し描きづらいかもしれません。 内側の部分は高く、ほとんど地面に触れていません。 パースのついた下肢と足を描く時は、この2つの部分がどのようにかみ合うかを意識してください。   並んでいるつま先または指先は、多くの場合、曲線で表現でき、それによってジェスチャーをより明確かつ強く表現することができます。 可能な限りジェスチャーを強調するようにしましょう。     このチュートリアルが役に立つと嬉しいです。    

プロフィール:Miyuli

フリーランスのイラストレーター/漫画家です。
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