マンガを多くの人の目に留まるようにするには?読者データ活用術!
「自分の作品をより多くの読者に読んでもらいたい!」 読者について知ることで、あなたの漫画の魅力を分析しましょう。白泉社の担当編集マッチングサイト 「マンガラボ!」の読者データを活用することで、よりたくさんの人に作品を読んでもらうための工夫ができます。今回は、その読者データの活用方法を実例とともに詳しく紹介します!
白泉社が運営する漫画家を目指すクリエイター向け担当編集マッチングサイト「マンガラボ!」に作品を投稿すると、白泉社のマンガアプリ「マンガPark」に作品が公開されます。
作品を投稿した作者は、「誰に、どのくらい読まれている?」「どのマンガと一緒に読まれている?」といった「マンガPark」の読者データを作品ごとに確認することができるようになります。
今回は、「マンガラボ!」開発者の加藤さん(株式会社Link-U )に、「マンガラボ!」の機能やマンガとデータの関係と活用方法を伺いました!
300万人の読者があなたの作品を待っている!
近年、マンガアプリが盛り上がっています。
月間利用者が100万人を超えているマンガアプリは6つ(2017年Nielsen Mobile NetViewより)にもなり、市場規模も電子書籍、電子雑誌合わせて2500億円を突破する(インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2018』より)など、出版業界のデジタル化が定着してきています。
今回ご紹介する「マンガPark」もアプリのダウンロード数は300万を超え、毎日何十万というユーザーのみなさんに利用されています。
アプリでマンガを読む人が増えたことによって、精度の高い読者データを活用できるようになりました。
「マンガラボ!」は「マンガPark」と連携しており、300万人の読者データを最大限に活用することを想定した仕組みになっています。
今まで紙の雑誌における読者データといえば読者アンケートがその代表格でしたが、読者アンケートは雑誌を買って読んだ人すべての声を拾えるわけではありません。
対してマンガアプリでは、作品ごと、話ごと、日ごとにリアルタイムで数字を見ることができますし、プロフィール登録によって作品を読んだ人の性別や年代も分かります。
様々な側面から詳細に数値を見ていくことで、作品の現状を把握したり、改善に役立てていくことができます。
「マンガラボ!」ではこういった読者データを作品ごとに公開しています。
読者と作品のミスマッチを防ぐために読者データを活用!
「マンガラボ!」に4ページ以上の作品を投稿すると、白泉社の他の連載作品と同様に「マンガPark」に作品ページが作られます。
作品ページが作られると「マンガラボ!」のマイページから様々なデータを閲覧することができるようになります。
※マンガParkへの掲載を希望しないこともできます。詳細は、マンガラボ!のガイドラインを参照ください。
「マンガラボ!」で活用できるデータや機能(順次リリース予定)
・PV(閲覧)数(作品ごと、話ごと)
・読者層(年齢、性別)
・よく一緒に読まれている作品 etc…
「マンガラボ!」には上記のように様々なデータが閲覧できる機能があります。
こういったデータを活用しながら自分の作品を客観的に分析することもできる反面、PV数などの上辺だけの数字にとらわれてしまう危険も含んでいます。
誤解していただきたくないなと思うのは、数字をあげることが目的ではないということ。
この作品は少数の人にしか読まれていないからダメということではありません。大切なのは、作品を届けたい相手(想定したターゲット)に作品がきちんと届くこと、伝えたいことが伝わることだと思うのです。
データは読者に作品の魅力を余すことなく伝え、マーケティングで失敗しないために活用していただくものとして考えていただきたいです。
『マンガPark』で実際にあったデータの活用事例!
事例1:サムネイルを変えて新しい読者へのアプローチに成功!
作品を読んだことのないアプリユーザは、作品タイトルとサムネイル画像によって作品の内容を想像し、読むかどうかを決めます。
極端なことを言ってしまえば、読み始めるかどうかは作品の内容の良し悪しと関係ありません。特にサムネイル画像は面積も大きく目に飛び込んでくるので影響が大きくなると考えています。
『恋と心臓』(海道ちとせ先生)は、サムネイルを変えたことで、新規読者が2~3倍に増加したという事例です。
新しいサムネイルは、アプリでは画像が小さく表示されることもあることを考慮して人物をアップにして見やすく、ミステリー要素のある作品なので恋愛っぽさだけではなく危険な感じが出る構図に、背景をぱきっとした色に変えて目立たせる、といった点を依頼して作っていただきました。
【旧サムネイル】
【新サムネイル】
事例2:サムネイルと作品内容のミスマッチを防ぎ、正しい読者へアプローチ!
エロ・グロ・恋愛・バトル・BLといったジャンルは、刺激が強かったり、書店ではレジに持って行くのが嫌だと思う人が一定数いたりといったような理由で、電子書籍と相性が良いと言われています。
『イヤシラシイ!』(久賀流先生)は、男性2人の同居生活を描いた作品のため、掲載当初はアプリのユーザ受けを狙ってBLっぽいサムネイルにしていました。
しかし、中身はギャグ・日常系の作品だったため、BLだと思った読者は期待はずれを感じてしまい、(ギャグや日常系は好きかもしれないのに)BLが苦手なユーザには近寄ってもらえないといったミスマッチが起きてしまっていました。
1話目を読んで離脱してしまう読者がやや多かったのです。せっかくの面白い作品が、意図とは違う伝わり方をしないように、服を着せたり距離を離したりとBL感を少なめにしていただいたり、セリフで少しギャグっぽさを強調していただいて、2話目以降の継続率の向上を図りました。
【旧サムネイル】
【新サムネイル】
「マンガ」の「ラボ」でいろいろ実験してみよう
「マンガラボ!」は編集者とのマッチングサイトですが、ただ投稿したらじっと編集者からの評価を待つサービスではありません。投稿作品をたくさんのユーザに読んでもらう機会を、そしてその数字を見られる貴重な機会を提供します。
「ラボ」の名の通り、「マンガの実験室」をイメージして様々な機能を実装しています。
「恋愛作品のつもりだったけどファンタジー作品と一緒に読まれているからタイトルやサムネイル画像がファンタジーっぽいのかも?変えてみようか」
「こういう作品とこういう作品だと男女比がこんなに違うんだ」
「5話目でがくんと読者が減ってしまったけどなにがあったんだっけ?読み返してみよう」
「こんな作品がランキング上位なのか。この作品のこういうところ取り入れてみたらデータが変わるかな?」
等、積極的に試行錯誤していって、たくさんの気づきを得て、今後の作品づくりに役立ててみてください。
※本記事は白泉社「マンガラボ!ブログ」より「マンガParkの読者データを活用しよう」を特別掲載しました。
白泉社が運営する漫画家を目指すクリエイター向け担当編集マッチングサイト。
登録したクリエイターは製作した漫画を投稿することができ、投稿した漫画は白泉社のマンガアプリ「マンガ Park」に掲載されます。
また、白泉社各誌の編集から作品へのコメントが寄せられ、担当編集とのマッチングに成功すると、連載開始へのチャンスに繋がります。
「マンガ Park」の読者データは作者に公開され、「自分の作品がどのような人にどれだけ読まれているか」など、気になる情報も見ることができます。
マンガラボ!では、才能を世の中に発信できる、たくさんの企画・コンテストが用意されています。
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