リアクションからのギャップで魅せる!赤坂アカ先生のキャラクター講座
作品の魅力を誰よりも知り尽くしている編集者が、連載作品の「ここがすごい!」を解き明かす!今回は大人気の新感覚ラブコメ「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」の作者・赤坂アカ先生に、親しみやすく可愛いキャラクターの作り方をお聞きしました!ヤンジャン新人漫画賞「シンマン賞」人気企画から特別掲載!!
秀知院学園生徒会“漫画作り”会則【キャラクター作り】
Q.天才なのにちょっと抜けてる、親しみやすく可愛いキャラクターは『かぐや様』の一番の魅力!そんなキャラクターはどうやって作っているんですか?
A.リアクションから作っていますね。
映画などの色々な作品に触れて、ひらめいたキャラクターのリアクションを基本にして作っていくということが多いです。
例えば“かぐや”だと陰謀めいたことを計画して、それが何かのきっかけで台無しになったときにテンパる。
そのリアクションが描きたいなと思って描いています。
テンパったときに可愛いのは、表と裏のギャップがあるからなんです。
だから普段はクールにしておこうとか、リアクションからの逆算でキャラクターを作っていきます。
そして「このリアクションをメインにしていこう」と決めた時に、例えば“かぐや”なら策略をぶち壊すキャラが必要になってくる、という手順でキャラを配置しています。
キャラがどういうリアクションをするかを考え、そのための舞台を作っていく。
そしてなるべく周りはリアリティのある方向で固めていくというようにしています。
PICK UP!①【ギャップ】
―キャラクターを可愛く魅せるにはギャップが必要なのですか?
ギャップって大事で、僕は可愛いコマを描く前には若干可愛くないコマを入れます。
どうでもいいシーンって僕はあまり可愛く描かないようにしています。
全コマ可愛いって好きじゃないんです。
“かぐや”は普段はあまり可愛く描かず、その間は書記ちゃんに可愛さを担保してもらっています。
▲赤坂アカ先生曰く、「普段の“かぐや”は死んだ目をしている」とのこと。
可愛く描きすぎず、“書記ちゃん”こと“藤原さん”で可愛さを補っている。
でも、だからこそ“かぐや”の瞬間最大風速が強くなると思うんです。
一回完成したキャラクターを壊すから、そこに崩壊のエネルギーが生まれる。
▲クールで少し怖い“かぐや”を前のページに配置し、それを崩すことで後の“かぐや”の可愛さが際立っている。
普段は「“かぐや”可愛くないな」くらいに思ってほしいですね。
新人の方におススメする方法じゃないですけど(笑)。
PICK UP!②【リアクション】
―どういうリアクションが良いリアクションなんですか?
僕はテンパってる子が可愛いと思っています。
極限状態になったときに、人は嘘をつけない。
テンパったときに可愛い子は、嘘無くかわいい子だと思うんです。
▲「テンパったときに冷静さを欠き、嘘を付けなくなる」は本編でも語られている一つのテーマである。
だからいかに女の子を精神的にピンチに追いやるかを考えます。
どういうときにその子はテンパるのか、それを極限まで引き出すにはどういうシチュエーションが必要なのかを求めていく。
誰しもテンパる瞬間ってあると思うんですよね。
ストーカーに襲われる恐怖や嘘がバレそうになった焦り、そういう人の生々しい部分を大事にしています。
▲“かぐや”の羞恥や“御行”の焦り、“石上”の恐怖など「何でテンパるか」がそれぞれのキャラクターで異なっている。
また同じキャラクターのテンパり方でも、バリエーションがでるよう研究されている。
誰でもわかる感情をちゃんと持たせてあげるのは意識しているつもりです。
まとめ
リアルな感情でキャラを浸透!
それを崩壊させてインパクトを!
〈作者紹介〉
■赤坂アカ
新潟出身。
2015年5月よりミラクルジャンプにて『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』を連載開始し好評を博す。
現在は週刊ヤングジャンプにて大好評連載中。
※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『編集者Presents連載作品のここがすごい!!』「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」の第1週「キャラクター作り」を特別掲載しました。
第2週~第5週でも引き続き担当編集者が「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜のここがすごい!!」を解説します。気になる続きは(http://youngjump.jp/shinman/)をチェック!
シンマン賞特別企画 『編集者Presents連載作品のここがすごい!!』
(第49回 審査員:赤坂アカ)
(C)赤坂アカ/集英社