まんが作りのコツを徹底解明!~ストーリーの組み立て方編~
まんがの描き方に悩む人のために「おもしろいまんがの作り方」の仕組みとコツを『りぼん』編集部が徹底解明する連載「まんがの作り方モヤズバッ!」を特別掲載! 今回は「ストーリーの組み立て方編」です。
一生懸命描いたマンガを見せて、「テンポが悪い」「ご都合主義な話」と言われたことはありませんか?
今回は何故テンポが悪くなるのか、ご都合主義を回避する方法など、ストーリーの組み立て方をわかりやすく解説します!
イラスト:香純裕子/解説:『りぼん』編集部
ストーリーの「テンポ」に気を付けよう!
コラムでもっとくわしく!
~テンポを悪くするもの~
テンポを悪くする原因は、他にも色々あります。まずはエピソードのバランスです。
上記の夏祭りの話が32ページの読みきりだったとして、夏祭りに誘う部分だけで15ページくらいあったらどうでしょう?「早くお祭りに行った後の話を読ませてくれ」と思うはず。
また、エピソードのループにも気をつけてください。
せっかく勇気を出して男の子をお祭りに誘っても、また素直になれないと話が振り出しに戻ってしまいます。
当たり前ですが話の筋に関係ないエピソードも不要です。
夏祭り会場で女友達とばったり会って立ち話…完全に脱線です。
これも教えて!
「やっぱり素直で一生懸命なヒロインがウケますか?」
回答者:主任M
「素直になれない」子や、「ナマケモノ」だとしたら、どう?完璧じゃないからこそ身近に感じられて、感情移入しやすいかも。
憧れでも同情でも共感でも、きっかけは何でもいい。
大事なのは、読者にヒロインを「好きになってもらう」ことじゃないかな。
自分自身や周りの人たちをモデルに描 いてみることもオススメだよ!
「リアリティ」があるストーリーのプロットを作ろう!
コラムでもっとくわしく!
~物語の「説得力」とは~
物語は冒頭から想像がつかないような結末に着地すればするほど面白くなることが多いですが、その間を埋めるものに「説得力」がなければ単にご都合主義的な物語に陥り、つまらなくなってしまいます。
「説得力」とはフィクションを語る際によく使われる「リアリティ」という言葉とほぼ同じ意味です。
ただ、ここで注意して欲しいのは、日本語に直訳した「現実的」と、物語における「リアリティ」とは、意味が違うということです(異世界を舞台にしたファンタジーでも「リアリティ」があれば読者はその世界観に引き込まれ夢中になります)。
まず説得力ある工ピソードについて。
工ピソードの役割は「主人公の変化を描くこと」。
説得力(リアリティ)のあるエピソードとは、キャラがある出来事に遭遇したとき「この人(キャラ)、ならこういう反応するのは納得」と読者に自然に思ってもらえるものを言います。
同じことがキャラにも言えます。
キャラとは性格・価値観のことで、いわゆる「現実的な人間」とは違います。
それでも説得力 (リアリティ) のあるキャラは、現実的な人間とは違っても「こういう人いそう」と読者に思わせることが出来ます。
そもそもキャラが出来てなければ「この人なら」という前提が成立しません。
キャラは物語全体を支える土台です。しっかり意識しましょう!
ストーリーを「都合のいい話」にしない!
コラムでもっとくわしく!
~主人公に愛のムチを~
ストーリーに読者を引き込む方法として、もっともオーソドックスなのが、「主人公を困らせる」ということです。
主人公が問題に直面すると、読者は「どうするんだろう?」と気になり、ワクワクしますよね。
つまり作者は、主人公がどうすれば困るかを考えて、試練を与えていけば良いのです。
都合のいい話を作ってしまいがちな人の傾向として、登場人物の「良い面」ばかりを見ている、ということがあります。
自分の生み出したキャラクターは、かわいい我が子のようなものですから、欠点なんて見たくないと思うかもしれません。
しかし、ダメな部分や足りない部分をきちんと見つめないと、どんな試練を与えればいいかわからなくなってしまいます。
わが子の成長のために、あえて愛のムチをふるいましよう。
それでも主人公の困らせ方がわからない場合は、「自分の苦手なタイプ」を主人公にするのも1つの手です。
人は、他者に対して苦手意識を持つとき、同時に、「この人に、こういう風に変わってほしい」という批判的な希望をもっています。
その希望を叶えるための方法を考えていけば、主人公への試練の内容も自然と見えてくるでしよう。
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