まんが作りのコツを徹底解明!~キャラクター編~

まんが作りのコツを伝授!キャラクターの作り方編

まんがの描き方に悩む人のために「おもしろいまんがの作り方」の仕組みとコツを『りぼん』編集部が徹底解明する連載「まんがの作り方モヤズバッ!」を特別掲載! 今回は「キャラクター編」です。

 

マンガを描くにあたって、いかに個性を出せるかがカギとなるキャラクター作り。

でも意外と難しいですよね。

「キャラが弱い」「キャラが話に沿って動いているだけ」等、言われたことがある人は多いはず。

 

今回はそんなキャラ作りに悩む人のために、魅力的なキャラクターの作り方や動かし方を解説します!

 

イラスト:香純裕子/解説:『りぼん』編集部

 

キャラクターの「立たせ方」

 

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コラムでもっとくわしく! ~感情移入の仕組みについて~

 

登場人物に感情移入しているとき、読者は自分の性格と登場人物(=キャラ)との共通点を見つけ、シンクロしながら読んでいます。

 

では、自分と似た性格の登場人物にしか感情移入できないのかというと、そうではありません。

なぜなら、1人の人間の中には、様々な部分的性格(キャラ)が存在しているからです。

 

 

皆さんの中にも、意地っ張りな自分や素直な自分、人見知りする自分や人なつっこい自分など、様々な自分がいますよね。

だから、いろいろなキャラに対して「自分にもこういう部分があるな。」と感情移入できるわけです。

 

しかし、登場人物のキャラが「弱い」あるいは「ない」と、読者は自分のどの部分的性格とそのキャラを照らし合わせれば良いかわからず、結果的に感情移入できず、「つまらなかった」という感想を持つことになります。

 

逆に、読者に感情移入してもらえるようなキャラを作るには、自分の中の部分的性格の1つをキャラに投影してみるとよいでしょう。

 

 

キャラクターの「性格の描き分け方」

 

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コラムでもっとくわしく! ~魅力的なキャラとは~

 

「魅力的」というと「いい人」を連想してしまいますが、それだけだと嘘くさくなりがち

 

「長所と短所は裏返し」。

 

ひとりのキャラも描き方(演出・構成・視点など)によって良い印象にもなれば悪い印象にもなります。

大事なのは、そのキャラの言動を支配する「性格・価値観」を掴み、そのキャラが「本当にこういう人いそう」と思えるくらい筋が通っていて説得力があるかどうかです。

 

あえて「性格・価値観」を分けるをすれば「性格」とは先天的な考え方・感じ方の傾向。

「価値観」はその人が培ってきた「真善美」(※)のことです。

※真善美:人間の理想とされる真(学問)と善(道徳)と美(芸術)をいう。

 

「真善美」が様々な批判や経験を経て、磨き上げられたものであるほど強い説得力を持ち、キャラの「魅力」に繋がります。

そのためには常識を疑い「何が本当に正しいのか。大事なのか。美しいのか。かっこいいのか」という懐疑的な精神を持って自身の「真善美」を磨くことが必須。

 

「自分がヒネくれてしまったようで性格悪くなったかも」と悲しくなることもありますが、次第に「世の中には様々な人がいて、みんな正しい」と寛容で優しくなれるので頑張りましょう(笑)。 

 

 

キャラクターの「動かし方」

 

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コラムでもっとくわしく! ~神様にもできないこと~

 

作者は、登場人物や状況設定・出来事を自由に創造できるという点で、自分が描こうとするまんがに対して神様のような存在ですが、そんな神様にもできないことがあります。

 

それは、自分が産み落とした登場人物の行動や考え、感じる内容を勝手には変えられないということ

 

投稿作でよく見られるのは、主人公が想いを募らせて男の子に告白。

すると男の子も「実は俺もお前のことが好きだ」と応えてくれてハッピーエンド、という展開。

 

その展開自体に問題はないですが、ありがちなミスが、男の子は主人公のことをいつから好きだったのか、どうして好きになったのかからない」ということ。

なぜそういうことが起きてしまうかといえば、ひとつには、男の子に好きになってもらえるほどの魅力が主人公にないから。

 

もうひとつは、物語の展開優先で、キャラの心理を無視してしまっているからです。

話を考えるとき、どうしても主人公目線で構想を練りがちですが、同じ物語を男の子目線でも辿ってみましょう。

 

「もし自分が男の子だとして、果たして主人公のことを好きになるか?」。

不自然なところがないか確認することをおすすめします。

 

まんがのキャラクターといえど登場人物たちは1人1人の人間です。

「こう動かせば話がまとまるのに…」 という気持ちをグッと抑えて、「このキャラが動いてく れるには、何をしてあげればいいかな」と、キャラをサポートするつもりで神様の力を使いましょう。

 

 

 

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