【メイキング】表情で語る!フライさんの美少女イラスト作画
素敵な女の子を描きたい方必見! 注目の書籍『美少女作画』から、表情が魅力的な女の子のイラストを得意とするフライさんによる厚塗りメイキングを抜粋して紹介します。プロの技を参考に、魅力的な女の子のイラストを描いてみませんか?
▲完成イラスト
フライさんは、線画はCLIP STUDIO PAINT、色塗りはPhotoshopで完全に使い分けをしています。
複数のソフトを使い分けた描き方も参考にしてみましょう!
線画で大ラフを描く
CLIP STUDIO PAINT PRO で大ラフを作成します。
(1)大ラフで表情を固める
表情がしっくりくるまで消して描くを繰り返します。
(2)大ラフをもとに線画を描く
大ラフで描いた線をもとにディテールを詰め、線画にします。
カラーラフでイメージを固め線画を完成させる
Photoshop でカラーラフを作成し、絵のイメージを固めます。
ラフの段階である程度絵のイメージを決めてしまうと、迷う時間を減らして完成までのスピードを上げることができます。
(1)カラーラフを作成し線画を描く
先ほど描いた線画をもとに完成形をイメージして、Photoshop でカラーラフを作成します。
カラーラフが仕上がったらCLIP STUDIO で取り込み、不透明度を下げて、その上にレイヤーを新規で作って線画を描いていきます。
背景も人物もレイヤー分けはせず1 枚に描きます。
(2)線画を描き進めて完成
カラーラフのレイヤーを下に薄く表示させながら、新規で作成されたレイヤーに線画を描いていきます。
やわらかい印象にするには、CLIPSTUDIO の[鉛筆]ブラシの中の[パステル]や、「CLIP STUDIOASSETS」で手に入る[鉛筆R]がおすすめです。
レイヤーをさらにいくつも作り、キャラごとに、あるいは身体の部位や背景画像ごとにレイヤーを分けると、部分ごとの修正があとからしやすくなります。
途中でカラーラフの表示を消して線画の出来を確認します。
ラフのときの印象を失わないよう注意しつつ、進めました。
COLUMN レイヤーを正しく使いこなす
Photoshop やCLIP STUDIO では、画像をレイヤーという階層に分けて重ねていくことができます。
何も描かれていないところは透明で下のレイヤーの画像が透けて見え、また描かれているレイヤーを半透明にすることで、下のレイヤーを浮かび上がらせることもできます。
レイヤー同士は独立しているため、修正や色の調整が別々にできます。
ここでは、カラーラフの不透明度を下げることでラフ画像を薄くして、その上にレイヤーを作って線画を清書する方法を解説します。
▼レイヤーのイメージ
重ねている階層は自由に表示・非表示の切り替えができます。
また複数のレイヤーを結合して1枚のレイヤーにすることもできます。
▼レイヤーを追加する
▼Photoshop の場合はレイヤーの最下部にある右から2番目のボタン、
▼CLIP STUDIO では左上のボタンをクリックするとレイヤーを新規作成できます。
▼カラーレイヤーの不透明度を下げて重ね描きしやすく
カラーラフのレイヤーの不透明度を下げると、ラフ画像が薄くなり、上から線画を描きやすくなります。
カラーレイヤーの不透明度を20% にして、その上に線画用の新規レイヤーを作ります。
下塗りで塗りの密度を高める
CLIP STUDIO で線画を完成させたら、その下のカラーラフのレイヤーごとPSD 形式の画像ファイルで保存し、それを再びPhotoshop で読み込んで下塗りを開始します。
▼完成線画
(1)パーツごとにレイヤーを分けて下塗り
完成した線画の下に再度、カラーラフのレイヤーを表示させて、イメージを確認しながら下塗りを進めます。
肌、髪、服でパーツごとにレイヤーを分けて下塗りをしていきます。
カラーラフは粗さが目立つので、整えながら塗り進めて密度を高めます。
POINT! 色を塗るときはレイヤーを分ける
線画は統一感を出すために1 枚のレイヤーで描きました。
塗りのときは細かい調整をするためパーツごとにレイヤーを分けます。
COLUMN 粒子のような効果を加える
カスタムブラシで、粒子のような効果を入れています。
この効果を入れることによって空気感をプラスするのが狙いです。
ほぼすべてのイラストに使っている効果です。
この作例では、カラーラフの作成の時点で入れてしまっていますが、下塗りが終わった時点で加えるのがよいと思います。
▼粒子のようなカスタムブラシ効果で空気感を加える
上図のような粒子状の画像をカスタムブラシにしてイラストに適用することで空気感を生み出すことが可能です。
▼カスタムブラシを作成する
Photoshop でカスタムブラシにしたい画像を開き[編集]→[ブラシを定義]をクリックし、ブラシ名を入力します。
▼カスタムブラシを使用する
作成したカスタムブラシは、他のブラシと同じように、[ブラシパネル]の中に並んでいます。クリックして選択すると使えます。
さらに細かく描き込んで完成
下塗りをベースに細かい部分のディテールを詰めて完成です。
(1)光の反射や陰を描き込む
まずは髪やシャツに光の反射や陰を描いて、ディテールを詰めていきます。
▼髪の毛に光の反射を加える
▼シャツに陰の部分を加える
(2)塗料のフィルターを入れる
少し塗りが進んだタイミングで、Photoshop の[フィルター]→[アーティスティック]→[塗料]の効果をシャツに入れました。
塗料は効果をかけた部分を少しぼかしたような感じであいまいにしてくれるので、塗り込みすぎてしまったときは、この効果を使ってバランスをとっています。
髪や背景にも、様子を見ながら同様の効果を入れていきます。
(3)さらに描き込んで仕上げていく
あとは、ひたすら描き込みをしていきます。
スカートや手前の葉、奥の窓枠など、周辺部分も仕上げていきます。
▼窓枠
▼スカート
(4)厚塗りで加筆をして完成
一番上に新規レイヤーを作成し、厚塗りの要領で加筆します。
ハイライトや、髪も1本1本明るめの色で加えて仕上げていきます。
POINT! 厚塗りとは?
厚塗りとは、油絵のように不透明な絵の具を塗り重ねていく手法です。
ブラシの筆跡を活かしながら、下の色を覆い隠すように上に色を重ねていく塗り方のことです。
デジタルイラストでは、レイヤーを重ねることで、塗り重ねた色の微調整が簡単にできます。
著者: フライ
兵庫県出身。漫画版『けものフレンズ – ようこそジャパリパークへ!-』(けものフレンズプロジェクト企画・原案/ KADOKAWA /月刊少年エース)や、『佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I’ll have Sherbet!』(九曜著/KADOKAWA/ファミ通文庫)、『弱キャラ友崎くん』(屋久ユウキ著/小学館/ガガガ文庫)などのイラストで活動中。
※本記事は、『美少女作画 ゼロから学ぶプロの技 神技作画シリーズ』(KADOKAWA刊)からの特別版抜粋記事です。
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■著者
フライ・げみ・けーしん・田中 寛崇・U35
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