女の子コーデ★ロリータ&ゴシックファッションの描き方を学ぼう!
女の子ならではのフリルやレースがあしらわれた服装といえば、ロリータ&ゴシックファッション! 要素がたくさんあって描くのが難しそうに思えますが、それぞれのパーツを理解して手順を追っていけば、誰でも描けるようになります。今回はロリータとゴシック、二つのファッションを図解付きでわかりやすく解説します!
ロリータテイスト
ロココ時代のお姫様をモチーフに、フリルやレースで豪華に装飾されたドレスなどを基調とするスタイル。
白やピンクといったかわいらしい色が好まれる、少女性を深く追求したファッションです。
甘“ロリ”ワンピースコーデ
フリルやリボンをふんだんにあしらったドレス風のワンピース、姫袖のボレロ、ボンネットタイプのヘッドドレス、キュートな柄がプリントされたタイツにチョコレート色のぺたんこ靴で少女性を強調。お菓子のように甘い色使いと装飾でまとめた甘ロリコーデです。
【POINT】“ロリータ”のポイント
①定番服はワンピースかジャンパースカート
ロリータテイストの服は、ワンピースタイプかジャンパースカートタイプが主流で、その上にボレロやカーディガンを着用します。
一般的なワンピースらと比べるとドレス的な側面が強く、パニエ(スカートを広げるための下着)を履いて大きく広がったスカートや優美さを感じさせる豪華な装飾を持つのが特徴です。
②頭と足元のアイテムも重要な要素
ヘッドドレスやリボンカチューシャといった装飾性の高い頭飾りは、服装が華美なロリータスタイルには欠かせないアイテムです。
特にフリルがふんだんに施されたヘッドドレスは、お嬢様っぽさやクラシカルな雰囲気を強めてくれます。
靴は少女らしいぺたんこ靴、あるいは厚底のものが好まれます。
③肌の露出はできるだけ控える
ソックスやタイツのチョイスに並々ならぬこだわりが感じられるのも、ロリータならではの特徴です。
お人形のように清楚な白色や華やかな柄が施されたものが中心であり、服のデザインが七分袖というような例外を除き、原則として素肌が露出しないようにします。
甘“ロリ”風ワンピース&ボレロの描き方
①ベースのアタリを描く
膝下までを含むアタリを描き、肩、腰、膝の位置を参考にベースとなるワンピースのアタリを描きます。
②トップス部分とスカートを描く
襟と前立て、ウエストのリボンを描き、スカートにはフリルを描く位置にアタリで線を描いておきます。
③スカートのフリルを描く
②のアタリを元に端から端へ向かってカーブを描くようにフリルを描いていきます。
④ボレロを描く
首から二の腕を包むようにボレロを描いていきます。
襟は立て襟で首元を覆い、腕から胸元へかけてもフリルを描いて装飾しつつ肩を隠します。
⑤袖やリボンを描く
ボレロから腕先にかけて手を包み込むように口がラッパ状の姫袖を描いていきます。
スカートの裾や胸元には大きなリボンの装飾を加えます。
⑥仕上げて完成
細部の装飾を描き足し、リボンやスカートに色を塗って完成です。
ヘッドドレス(ボンネット)の描き方
①頭部とアタリ線を描く
頭部のアタリを描き、ボンネットをはめたい位置にカチューシャのような形のアタリ線を描きます。
②ブリム(つば)を描く
①のアタリをベースにボンネットのブリム(つば)の部分を描いていきます。
放射状に広がるように描いていきましょう。
③フリルを描く
①のアタリをベースに放射状にフリルを描いていきます。
フリルを縫い付けてある根本からシワができている様子を表現しましょう。
④耳元の飾りを描く
ボンネットの端、耳の近くにジグザグに織り込んだ装飾を描いていきます。
⑤装飾を描き足す
ブリムの縁や頭のリボン、耳元のアクセサリーを描いていきます。
リボンは中央にビスケットをあしらった形をイメージしています。
⑥仕上げて完成
頭部の黒いアタリを取り払い、リボンの斜線や耳飾りのいちご柄など細部を描き込んで仕上げて完成です。
ロリータテイストのアイテム
クラシカルブラウス
立ち襟や前身頃へ贅沢に施されたフリルがレトロな雰囲気を醸し出すブラウス。
色味は清楚さを際立たせる白やパステルピンクが定番です。
襟から胸元にリボンが加わるとお嬢様的な印象がさらに強まります。
ジャンパースカート
袖なしの身頃を持つタイプのスカートで、インナーに必ずブラウスなどを合わせることを前提として作られている点がワンピースとの大きな違いです。
ロリータ好きの間では「JSK」という略称で呼ばれることもあります。
ロリータとゴスロリの違い
ゴスロリは「ゴシック・アンド・ロリータ」の略であり、ロリータファッションにゴシックの黒を基調とした色合いや十字架などの退廃的なモチーフを取り入れたファッションを指します。
ロリータ、ゴシックともに別のスタイルでありながらヨーロッパドレスのクラシカルな装いやドレス調のデザインが源流にある点や、ロリータには甘いテイストのまま色だけを黒くした黒ロリと呼ばれるジャンルがあるなど分類が複雑ではありますが、本来的にはロリータとゴスロリは別物のファッションスタイルです。
ゴシックテイスト
16 世紀エリザベス朝や19 世紀ヴィクトリア朝のヨーロッパ貴族女性の服装をベースにしたファッションスタイル。
黒を基調にした退廃的な色使いや、ドレス風の華やかな装飾デザインが特徴です。
ゴシックドレスコーデ
フリル状の装飾がついたブラウス、服の上に着る見せコルセット、レース柄のチュールとダマスク柄のスカートで構成したドレス風のコーデ。
小振りなカクテルハットや装飾のついた傘を身に付け、淑女な雰囲気を出しています。
【POINT】ゴシックのポイント
①黒色をメインにする
服の配色の大半を黒が占めるようにするとゴシックらしくなります。
加えて、ワインレッドやゴールドなど高級感があって黒に映える色を組み合わせると気品のある印象に仕上がります。
②ヨーロッパドレス風のデザインを盛り込む
腰の曲線美を強調するコルセット、デザイン性の高いスカート、フリルやレースの装飾など、中世ヨーロッパドレス風のデザインを服の各所に盛り込むと正統派ゴシックのクラシカルな華やかな装いになります。
③傘などの小物を使う
頭部にはカクテルハットやコサージュなどのパーティ向けの髪飾り、手にはリボンやレースで飾られた傘といった小物を持つと高貴なお嬢様感が出ます。
傘は雨傘だけでなく透け感のある総レースの日傘を使うのも上品さが際立ちます。
ゴシックドレスの描き方
①人体とドレスのアタリを描く
人体のアタリと中心線を描き、肩や腰の位置を参考にして上半身のブラウス、腰のコルセット、下半身のスカートのおおまかなシルエットを描いていきます。
②ドレスのラフを描く
アタリを元に、全体のシルエットを整えながら、ドレスのラフデザインを描いていきます。
③スカートに柄を入れる
スカートを清書して柄を描き込んでいきます。
内側のスカートはダマスク柄のトーンを使って豪奢な雰囲気に。
外側のレース柄は一つの花模様を描いてコピーします。
④ブラウスを清書する
ブラウスの線画を整え、ストライプ模様を体のラインに沿って入れます。
⑤細部を描き込む
フリルやレースに立体感、浮遊感を持たせるため、シワと影を描きいれます。
▲影が見やすいようストライプ柄を非表示にしています。
⑥仕上げて完成
チュールが重なっている部分など細部の影も描いていき、全体のバランスを見て完成です。
コルセットの描き方
①腰とコルセットのアタリを描く
まず体のアタリを描きます。
コルセットはちょうど胸の真下から、下腹部のやや上あたりの一帯を覆うように描いていきます。
②ラフを描く
アタリを参考に体とコルセットのラフを描きます。
前面にはひもを通す穴を等間隔に描いてクロスする紐のおおまかな位置も描いておきます。
③コルセットを清書する
コルセットを引き締める紐は胴の中心線に近い位置でクロスさせます。
紐は並行する2 本の線で描き、紐が重なった位置に影を小さく落として立体感を出します。
④影を線で描き込む
ひも穴の内側やひも穴から出ている紐の下側、コルセットの縁などの線を太くして影を表現し、立体感を出します。
⑤縦のライン柄を描く
くびれの形に沿ってコルセットの生地にストライプ模様を描き入れます。
縦方向の線を入れることで、細身かつ立体的な印象を与えることができます。
⑥仕上げて完成
背中側には縁に沿った部分とくびれの中央に斜線で影を入れ、立体感を出して完成です。
ゴシックスタイルのアイテム
フリルブラウス
ゴシックスタイルのアイテム段になった襟飾りや、ふんだんに使われたレースが豪奢でクラシカルな雰囲気を出すフリルブラウス。
お姫様感のあるラッパ状に広がる袖飾りは、アンガシャント(中世ヨーロッパドレスの飾り袖)を原型にしています。
ティアードスカート
ティアード=重なったという言葉通り、ギャザーやフリルの生地を数段重ねたスカートです。
かさのあるフリルが段状に重なることによって、中世ドレスのようなボリューム感のあるシルエットになります。
アシンメトリースカート
左右で形状やデザインが異なる、地面に対してスカートの丈が平行でないなど、左右非対称のスカート。
アヴァンギャルド(先鋭的)なデザイン性がゴシックらしい退廃的な印象を与えます。
軍服ワンピース
前面のボタン、肩、袖口などに軍服風のデザインを盛り込んだワンピース。
男性的でシンプルな構造ながら、膨らんだスカートのシルエットがかわいらしく、かわいさとかっこよさを兼ね備えたスタイルになります。
※本記事は、『デジタルツールで描く! 魅力を引き出す女の子の服の描き方』(マイナビ出版)からの特別版抜粋記事です。
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