初心者のためのスカートの描き方講座【フリル・プリーツ・シワ】

スカートの描き方講座

身近にあるスカートですが、「ひらひらに惑わされて立体感を出しにくい」「そもそもどんな形かよくわからないので変な形になってしまう」と、描き方に苦戦している方が意外と多いようです。そこで今回は、スカートの基本の形のとりかた、ひだの描き方などを中心に、簡単にスカートが描けるようになるコツを伝授します!

 

★スカートかんたん描画術

 

人の顔を描くときに、楕円を描いてアタリをとったりしますが、そのように、どんなものも単純化し図形のようにとらえることで、描きやすくなるものです。

 

スカートはプリンのような形でアタリをとる

初心者によくある失敗として、裾の方を広げ過ぎて描いてしまう場合があります。

19世紀風のドレスならそれでもよいのですが、現代の制服や日常的にはくスカートなら、少し控えめに広げたほうがよいでしょう。

 

プリンのような形を思い出して、自然な広がり方をマスターしましょう。

 

 

上の図のように短めのスカートであれば、よくあるプリンの形のまま、スカートの輪郭を描くことができます。

形さえとれてしまえば、あとはプリーツ・ひだを描くなどして、細部を描けば完成です。

 

 

ロングスカートの場合も基本は同じ

プリンのアタリの縦の線をそのままのばしていくような感じに描きます。

 

 

 

 

スカートをはいたときの状態もイメージしてみる

スカートをとめる位置は、実際はおへその上ですが、イラストやマンガではおへそを出す位置まで下げて描かれることもあります。

 

 

 

 

★どんなスカートを描く?

 

スカートにはたくさんの種類があります。

 

 

膝より上のミニスカート、長めのロングスカート、フリルやプリーツがあるもの……などさまざまです。

イラストで描くときは、どんなスカートにするかしっかりイメージしておきましょう

雑誌やネットにあるスカートの写真を見たりしてイメージを固めるのもよいでしょう。

 

 

スカートの例

  • プリーツスカート

布を繰り返したたんだようなひだをプリーツといいます。ちまたでよく見かけるのは細いプリーツがたくさんついた女の子らしいスカートです。

広めのプリーツのスカートは、学校の制服にもよく見られるので、イラストでもよく見るタイプです。

 

  • フレアスカート

裾に向かってアサガオのように波打って広がるタイプのスカートを、フレアスカートといいます。

普段着のイメージが強く、制服ではあまり見ません。

やわらかい線で可愛く描きたいスカートです。

 

  • ギャザースカート・フリルスカート

ギャザースカートは布を縫い縮めてできたひだ(ギャザー)のあるスカート。

「フリル」はギャザーなどでできた、ひだの装飾で、使い分けが難しいのですが、たくさんフリルがついたスカートはフリルスカートと呼ぶのが一般的でしょう。

  • タイトスカート

タイトスカートは身体にぴったりとしたラインのスカートです。

少しフォーマルな感じがするので働く女性に似合う大人っぽいスカートといえます。

長い布を腰にぴったりと巻いたような形になっており、まず足を描いてそのラインに沿ってスカートを描くとよいでしょう。

裾があまり広がらないので裏地を見せることはほとんどありません。

 

 

★スカートのひだ

 

スカートを華やかにするひだには、いろいろな種類があります。

スカートの特徴を決定づける重要な要素なので知っておくとよいでしょう。

 

 

フリル

華やかで可愛らしいひだ飾りといえばフリルです。

かならずカーブをつけるようにして、やわらかい描線で描かないとそれらしくなりません。

うまく形がとれないときは、波のような形のすそのほうから描いていくとよいでしょう。

 

プリーツ

生地を折りたたんで折り目をつけてから縫い付ける方法です。

折り方には、一方向にひだを折っていくサイドプリーツと箱折りするインパーティドなどの種類があります。

しっかりと折られている感じをだすため、シャープな線で描くのが基本ですが、あまり直線になりすぎても布の感じがでないため、微妙にゆるやかなカーブがあるようなイメージで線を引くと自然なプリーツになります。

 

 

フリルスカート描画術

フリルのついたスカートを描いてみましょう。

 

 

フリルがどのあたりに入るかしっかりとイメージしてアタリをとり、柔らかい線で描いていきます。

ひだのしわは、ゆるやかなカーブで、すその方向へブラシを動かします。

フリルはギャザーなどでしぼってひだをつくっています。

 

布をしぼった部分も描く場合は、短く細かい線でぼそぼそとした縦線などを入れます。

 

 

★スカートのシワ

 

フリルやプリーツのあるスカートは、シワを描かなくてもよいのですが、タイトスカートなど装飾のないスカートは、少しシワを入れたほうがよりリアルな表現になります。

 

 

タイトスカートは股のあたりが布がゆるみやすく、左右に引っ張られたシワができやすいのが特徴です。

フリルやプリーツの柔らかさとは逆に、シャープな線で描くのがコツです。

 

腰と足のラインがくっきり出るのでまずは裸の状態で身体を描いてからスカートを加えたほうが描きやすいでしょう。

 

ほかにシワの集まりやすいところは関節です。関節を曲げたときに布が引っ張られてできるシワがあります。シワの向きは引っ張られる方向にできます。

 

 

★スカートの動きを描いてみよう!

 

描き慣れてきたら、スカートの動きに注目してみましょう。

 

スカートの形、布のやわらかさを考えながらどんなふうに動くか想像してみてください。

とはいっても、波打つように複雑に動くスカートを描くのはなかなか難しいものです。

日頃から写真資料をたくさん集めて参考にしたり、模写してトレーニングしたりすることをおすすめします。

 

 

風に揺られたときのスカートは、風が身体に当たる部分に服が密着し、服が密着していない部分は風になびきます。

スカートの中にある空間がどうなっているのかイメージしながら描きましょう。

 

 

長いスカートで床に座ったときは、身体を中心にして輪を作るように広がるイメージです。

 

注意したいのは盛り上がる部分です。足がある部分は少し盛り上がります。

スカートの布が余った部分なども盛り上がります。

逆に盛り上がっていない部分は床面に広がっているように描きます。

 

盛り上がっているところ、広がったところ、いずれもなめらかな線でもって、布の流れを描き、スカートが自然に広がっているようにしましょう。

 

 

★資料は大事!

 

筆者自身も、何を描くにしてもとにかく資料とにらめっこをするように心掛けています。

実物を参考にするのはとても大切なことです。

 

繰り返しになりますが、写真資料を集めておくようにしましょう。

実物を観察したり、資料を参考に描いていくのが、上手くなる近道だと思います。

 

物のとらえ方や観察力を磨きながらスカートの描き方をぜひモノにしてください!

 

(制作:株式会社サイドランチ)

(執筆・イラスト 田嶋陸斗)

(執筆協力 横田まき)

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