【作画の極意を貪り喰え!】迫稔雄先生の破天荒コミックレッスン
新人作家がプロの先生に悩みと質問をぶつける特設企画! 今回は連載10周年を迎え多くの読者の人気を持つ「嘘喰い」の迫先生が審査員として登場!漫画家志望者には“目からうろこ"だらけの漫画作りの極意がここにある!
新人作家からの質問 その1!
――自分はキャラの表情を変えるのが苦手なのですが、嘘喰いのような「個性的な表情」を描くコツはありますか?(優樹さとる)
迫先生:
ひとつ使えるのは、自分の絵をデジタルソフトを使用して「崩してみる」ことです。
それでコレは使えるなというところを参考に描いてみましよう。
また、ドラマや映画などで「すごい表情しているな」と思ったら“ー時停止”をして、よく観察してみますね。
独特な表情描写をやりすぎるのも禁物ですので、「ここぞ!」という時に目をひくために意識して表情を描いています。
▲「嘘喰い」の大きな魅力である、独特で圧倒的な表情描写。あらゆるものを参考にし、デジタルも活用してチャレンジしてみよう!
新人作家からの質問 その2!!
迫先生:
発想の最初は「他と被らないように特長をつけよう」というところからです。
参考にするのは、他作品や自分の体験などです。
弥鱈のツバのシャボン玉は自分が子供の頃にやっていたことで、「これやっているキャラいないじやん!」と考えて、設定しました。
食べ物もキャラ付けには良いので、貘のかり梅も「やっているキャラいないな」という発想からですね。
ただ外見だけの出オチにはならないよう、内容も伴うように意識しています。
▲「独特な癖」「好きな食べ物」など、他の作品でやっていない自分だけのキャラデザを模索しよう!
新人作家からの質問 その3!!!
迫先生:
自分も好みや「男同士のやりとり」が好きなところから、連載当初は女キャラをあまり描いていなかったのですが、展開として出さないといけない時はありますし、描けるに越したことはないかと思います。
どの方も最初は「若いキャラ」を描く傾向にありますが、いつばい描いて、「女の子は得意」など自分の長所を伸ばしつつ、あらゆる展開への応用力を高めるのが一番です。
▲「カッコイイ男」「かわいい女の子」など得意なキャラ描写を伸ばしつつ、苦手な分野のキャラクターも描けるように努力を!
<作家紹介>
迫稔雄
現在YJで連載中の『嘘喰い』は今年連載10周年を迎えたヤングジャンプの大人気作品。新人賞に投稿されたプロトタイプである読切版『嘘喰い』は、その高いクオリティで当時の編集部に衝撃を与え、受賞してから約一年という短い期間で連載開始となった。本作はギャンブルに「暴力」の要素を加えた斬新かつ圧倒的な描写で、多くの読者の支持を集めている。
■優樹さとる(左)
2015年2月期シンマン賞「それぞれの幸せ」で佳作+審査員特別賞受賞。現在、本誌用の読切作成中。ハートフルな作風が持ち味の新鋭。
■真宮兎稀(中央)
2015年4月期シンマン賞「人魚姫と欠落男」で期待賞受賞。現在、より良い賞を目指して読切を作成中。独特で心に刺さる作風が持ち味。
■古田重暁(右)
2015年11月期シンマン賞「ユメミザクラ」で期待賞受賞。現在、新たな読切を作成中。繊細なタッチで可愛らしい女の子描写が得意。
※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『人気漫画家に学ぼう!』迫稔雄先生へのインタビュー第一週を特別掲載しました。
第二週、第三週でも引き続き迫先生が長い連載経験から掴んだマンガ家として生き抜く為の珠玉のメッセージを新人たちに伝授ッッ!
気になる続きは(http://youngjump.jp/shinman/)をチェック!
(第35回 審査員:迫稔雄 新人漫画家:優樹さとる、真宮兎稀、古田重暁)
(C)迫稔雄/集英社 (C)優樹さとる/集英社 (C)真宮兎稀/集英社 (C)古田重暁/集英社