5つの極意を伝授!初心者向けデジタル線画講座
アナログで描いた鉛筆のラフや下描きではイイ感じに描けていたのにデジタルで描く本番の線画では思うような線が描けない…、自分の線画は神絵師と違ってなんだか物足りない気がする…など、線画に関するお悩みはありませんか? そんなあなたに、線画をランクアップさせる5つの極意を伝授します!
線画をワンランクアップさせる5つの極意!
線画は、イラストのできあがりを左右するといっても過言ではない作業のひとつで、その後の塗りや仕上げのモチベーションにも関わってくる重要なステップです。
ですが、線の多いラフの状態から綺麗な一本線を選び出す線画作業を苦手としている人は多いのではないでしょうか。
今回の講座では、上のサンプルイラストを例にデジタル線画をワンランクアップさせる5つの極意を紹介します。
アナログからデジタル制作に移行した人、線画の描き方が分からない人は実践してみましょう!
■其の一 線はスパッと思い切りよく引くべし!
一本の線で描ける部分は、失敗を恐れずスパッとを一気に引きましょう!
上手くいかなかった部分は消しゴムで消して描き足し……とやりたくなりますが、そこはデジタル最大の武器である「Ctrl+z」(やりなおし※キーボードの[Ctrl]キーを押しながら[z]キーを押す操作)をフル活用し、理想の線が引けるまで繰り返します。思い切りのよい綺麗な線を引くのがひとつ目のポイントです。
消しゴムで消し、描き足すという修正方法は、消しゴムの消し残しができてしまったり、線の継ぎ目ができてしまったりと、逆に綺麗な線とは程遠いものになるので、一筆で済むところは極力一回で引きましょう。
まずは短い線で描けるまぶたから、慣れて来たら髪の毛のストロークまで一本線で描けるようになるのが理想です。
ラフを綺麗になぞろうとするのではなく、参考にする程度の感覚で線を引くと良いですよ。
■其の二 曲線は線と線を繋ぐように描くべし!
楕円などカーブが強い形は、フリーハンドではなかなか正確に描けないですよね。そんなときは一本の線で描くことにこだわらず、描けるところから描いて繋いでいく手法もあります。
「瞳」は多くの場合楕円形なのでこちらを例に見てみましょう。
ひとつの方法として円の始点と終点付近、そして真ん中部分に線を引いて、残った部分を繋ぐようにして線画を描きます。極力綺麗に引けるところを先に描くイメージです。
消しゴムツールや描き足しも行い、線と線の隙間ができないようしっかり調整しましょう。
より綺麗なラインを作りたい場合は、一度引いた線を「自由変形ツール」を用いて、形を整える方法も有効ですよ。
■其の三 長めに引いて削るべし!
髪の毛のように長い線は、手首のスナップや肘の動きで一気に引きましょう。
ラフに合わせてぴったり止めようとすると、線の勢いもなくなってしまって髪の毛の美しいラインが引きづらくなります。
線を勢い良く引くことで、綺麗な仕上がりになり、かつ筆圧も調整しておけば、先端を細くすることも可能となります。”髪の毛の流れ”を意識して引くことで、線画で表現できる質感も高まります。
勢いにのせて線を引くと、思ったところで止められませんが、それは失敗ではありません。
綺麗に引いた線同士を交差させ、後から消しゴムで余分な線を消すようにすると綺麗な仕上がり線になりますよ。
【1UP Point!】
せっかく綺麗に引けた線を調整中にうっかり消してしまわないように、レイヤーを活用しましょう。
顔レイヤー、髪レイヤー、服レイヤーなどと分けておけばバッチリですね。
■其の四 仕上げにはベタを使うべし!
完成した線画に物足りなさを感じたあなたに小技を伝授!
小さな黒ベタ、小ベタを入れてみてはいかがでしょう。
モノクロや漫画風のイラストでは、サンプルのように影が落ちる箇所や強いカーブのある箇所、線画交差する箇所にベタを入れると立体感がはっきりし、イラストが引き締まって見えます。
モノクロ制作の際には是非活用してみてください。
■其の伍 自分の線の引きやすい方向を把握すべし!
線を引くときに手の動かしやすい方向は人によって違います。
例えば髪の毛の線を引くとき、「上から下に引く」「下から上に引く」どちらがより引きやすいか試して自分の線画引きやすい方向を見つけてみましょう。
その方向にキャンバスを回転させて作業すると、効率のアップと線画の品質の向上を図ることができますよ。
まとめ
制作におけるモチベーションは、「どんなイラストを描こう」と題材を考えているときが一番高く、制作が進むに連れてどうしても下がっていってしまうものです。
線画はイラスト制作の土台となるもので、その土台がしっかりしていると、その後のカラー作業やトーン作業といった仕上げへのモチベーションにも繋がります。
線画と言っても侮る事なかれ!ということで今回の5つの極意、是非活用してみてくださいね
※本記事は、『いちあっぷ講座』(https://ichi-up.net/)から提供いただきました。
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