【魅力的なキャラクターを作るには!?】群青戦記に学べ!人物の動かし方の秘訣!!

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マンガのタネ&ネタを生み出すには!? 漫画作りの極意を探るこの企画!! 今回は毎週その独特の世界観と衝撃で読者をトリコにして止まない、「群青戦記 グンジョーセンキ」の笠原真樹先生が参戦!! 新人作家との質問真剣勝負。ヤングジャンプ新人漫画賞「シンマン賞」大人気企画からインタビューを特別掲載!

戦国武将vs高校生…!?

今回は『週刊ヤングジャンプ』にて現代の高校生達が戦国時代を生き抜く“戦国青春群像劇”、「群青戦記」を連載中の笠原真樹先生から魅力的にキャラを動かす秘訣を伺うぞ!

 

キャラクターを生み出せ、動かせ!!

元樹:主人公のキャラクターが弱いと担当さんによく指摘されます。主人公を含めて、キャラクターを魅力的にする方法を先生はお持ちですか?

 

笠原先生(以下、笠原):なるほど。キャラクターを魅力的に見せる方法を生み出すには、沢山の時間と思考が必要ですね。読切を例にして、答えるならば、たとえ、弱々しい主人公だとしても、読切の最後のページで強くなっていれば良いと思います。成長させ、その姿を読者に伝えることが魅力に繋がると思います。例えば、バスケ部の部員が主人公だったらバスケをして人間的に成長すればいいんです。

 

キャラクターの成長の為にはハードルを!!

加藤:その成長を見せる為には、どのような工夫をすべきなのでしょうか?

 

笠原:課題やハードルを設けることです。つまりは、何かしらの課題を突き付け、それを乗り越えたり、クリアすることによって、成長を見せることが大事です。読切においては、非常に効果的にキャラクターを魅力的にする方法のひとつだと思います。

 

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↑課題はハッキリと示すことで、読者の関心をひく。

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↑救出&奪還という明確な課題。

 

香納:なるほど、課題によって成長を見せるんですね!!私の場合は、キャラクターを生み出すことに苦労しています。先生はどんな方法でキャラクターを生み出していますか?

 

笠原:僕の場合は、戦国時代の武将も出てくるので、少し特殊かもしれません。戦国武将は一般的なイメージがあります。けど、そこに引っ張られすぎないで、ストーリーの中に、こういうキャラクターがいたら、漫画自体が面白くなるな、という考えをもって、キャラクターは生み出しています。

 

また、この漫画だけの独特の感じだとは思いますが、戦い方によって、新たなキャラクターを作ったりします。例えば、主人公は弓で遠距離の攻撃なので、至近距離で戦うことの出来る部活は何かを考えます。その上で戦い方を踏まえて、性格や姿形が既存のキャラクターに被らないように注意して、生み出していきます。

 

要は、ストーリーやこの作品で大事な戦闘を、さらに面白くするためにはどんな存在が必要なのかを重要視しています。

 

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↑様々な戦い方によって新キャラの特別感を引き出す。

 

加藤:目からウロコが落ちました…。では、そんな生み出した新キャラクターを深める方法は、やはり、「課題を突き付ける」ことですか?

 

笠原:もちろん、それもあります。僕は、ストーリーにキャラクターを乗せて、誰かと話をさせることによって、キャラクターを深めています。会話を使うことで、読者に寄り添って深めていけると思います。

 

 

元樹:ちなみに、先生はキャラクターを生み出した時には、すでに「キャラクター成長の最終的な姿」まで考えて作っていますか?

 

笠原:そうですね、実はキャラクターの最終的な姿は頭に入っていない状態で作っています。キャラクター同士を会話させたり、交流させると、自分でも知らなかった意外な発見などが出てくることがあります。そういう面白い発見を見つけながら、キャラクターを魅力的に見せたり、発展させたりしてます。

 

たぶん、そういった面白い発見を繰り返し見つけていくことで、「キャラが頭の中で勝手に動く」ようにしています。

 

ただ、大まかには成長後のイメージを持つことは大事です。闇雲に作っても、どのような意図をもって存在するのかがハッキリしなくては、なかなか魅力的になるまで苦労しますので。

 

魅力的なキャラクターにするポイントまとめ!!

キャラクターを魅力的にするには、「課題を突き付ける」ことや、ストーリーに乗せてキャラクター同士の会話や交流で発展させる。

そこには、意外な面白い発見が眠っているかもしれない。しかし闇雲にキャラクターを生み出してもなかなか面白いキャラクターには成長しない。

戦い方やどんなキャラクターを誕生させればストーリーが輝くかを見極めて、生み出していこう。

 

<作家紹介>

■笠原真樹

12月15日生まれ。埼玉県在住。2010年、第 108回MANGAグランプリにて「チェリー」で月間ベスト賞(奨励賞)、2011年、第116回MANGA グランプリにて「職業探検隊ハローワークス」で月 間ベスト賞(準優秀賞)を受賞。同作で、ヤングジャ ンプ本誌デビュー。2013年、ヤングジャンプ39号 より「群青戦記グンジョーセンキ」を連載スタート。 読者の熱い支持を受ける作家。

 

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■加藤亮太(左)

「君の血は私の血」で2014年10月期シンマン賞佳作受賞。同作品は『となりのヤングジャンプ』シンマン賞ページ内にて掲載中。大阪在住で気合いの入った新人作家。

■香納うぬ(中央)

読み切り掲載を目指し、日々奮闘中の女子大生。キャラ作りに悩みまくる日々を送っている。マンガの極意を学ぶべく今日も奮闘中!

■元樹綾(右)

専門学校に通いながらネームを描き、シンマン賞受賞を虎視眈々と狙っている。ベールの裏に隠されたその実力は如何に…!?

 

※本記事は集英社週刊ヤングジャンプ公式サイト内の月例新人漫画賞【シンマン賞】特別企画、『人気漫画家に学ぼう!』笠原真樹先生へのインタビュー第一週を特別掲載しました。

 

第二週~第四週でも引き続き新人作家さんたちとの座談会を実施!緊迫したシーン、バトルの表現を生み出す秘訣は何なのか!?笠原先生の秘技に迫る!!

気になる内容はヤンジャン「シンマン賞」公式サイト(http://youngjump.jp/shinman/)をチェック!!9027_bottom

シンマン賞特別企画 『人気漫画家に学ぼう!』 

(第27回 審査員:笠原真樹 新人漫画家:加藤亮太、香納うぬ、元樹綾)

(C)笠原真樹/集英社 (C)加藤亮太/集英社 (C)香納うぬ/集英社 (C)元樹綾/集英社

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