配置がわかると絵が上達する!イラストや漫画の上手な横顔の描き方
イラストや漫画の人物の顔で、横顔や斜め向きの顔を描くことが苦手だったり自信がなかったりしませんか? なんとなくや、見よう見まねで描いている人は、顔のパーツの配置とバランスをしっかり把握することで格段にデッサン力が上がりますよ!
横顔を上手に描くポイントは頭の球体イメージができているか
世の中には、丸顔の人、面長の人など、さまざまな体型の人がいます。
とはいえ、人間の頭に脳と、脳を守る頭蓋があることに変わりはありません。
つまり、人の頭は多少の歪みはありますが、丸いことに変わりないのです。
もちろん、目鼻、顎、耳などのパーツがありますので、厳密なまん丸ではありません。
まずはパーツの配置を理解するために、あたりをつける際には丸を描いてみましょう。
十字線で配置のバランスを整えながら描きましょう
あたりをつけたら、円の中心から十字線を描いてみましょう。
ちなみに円の中心はほぼ耳の位置、こめかみの少し下あたりにくることになります(下図の実線部分)。
目鼻などのパーツは、次の通りに配置していきます。
■目と耳の先の高さはほぼ同じ
左側を向いている人を描いているとしたら、円の左半分に目がつきますよね。
目は頭の中心となる十字線に乗っかるような形(横線の上)にあり、円周から半径の3分の1ほど内側に位置します。
また耳は頭の右半分に配置され、十字線の中心から少しだけ外側に位置します。
高さの基準は頭の十字線の横線上に、耳の上部がはみ出しているような感じです。
このとき、目と耳の高さはほぼ同じにしておくとバランスが良くなるでしょう(下図の点線部分)。
■鼻筋は目の位置から始まり、顎は目の垂直線上に先端がくるイメージ
鼻の描き始めの位置は目の先、横から見た時に顔の輪郭が最もへこんでいる部分からになります。
鼻をどこで終えるかは、描きたい人物の鼻の形によって変わりますが、鼻と唇まで描き終えた後、顎の位置は決まっています。
まず瞳から垂直線を引きます。
左側を向いている人を描いているなら、円の左半分3分の1あたりに引くことになる縦線です。
この縦線上と頭の円周が交わる点に、顎の先が位置します。もちろん、しゃくれた人や顎の長い人を描くのであれば、思いっきり飛び出してかまいません。
また、バランスが悪い場合には顎が円周から飛び出してもかまいません。
その場合でも、顎の先端は瞳からの垂直線上にあるので注意してください。
■鼻の頭と顎のラインから、唇はわずかに飛び出すように
「鼻と顎の間にある唇はどうすればいいんですか」と疑問がわいてくると思います。
唇の位置は鼻の下と顎の中間地点になります。唇はでっぱっているものですが、試しに、うるさい人に「しーっ!」と注意するときのポーズをしてみてください。
人差し指をピッと立て、鼻先と顎に指が当たるようにしてみます。
すると、唇が指に当たります。つまり、鼻の頭と顎のライン上から、唇がわずかに飛び出すのです。
このようなバランスで、顔の各パーツを配置していきます。
微妙な向きの横顔は、首をまわしイメージすることが大事
「真横と正面が描けても、斜め横とか、斜め下からはどうすればいいんですか?」という疑問も沸くかもしれませんね。
正面の顔も、横顔も、一定の比率でパーツが配置されています。
つまり、十字線をイメージできれば、どんな向きからの顔でも描くことができるのです。
例えば、横顔の十字線は先ほどの目と耳の上の先をつないでいます。
たとえば、向かって左を向いている人物に、少しこちら側へ頭を回してもらいましょう。
頭が球形でできているなら、ななめ左向きでも円形に変わりありません。
目と耳の配置は同じ位置になります。
それと同様に、鼻の位置も同じことです。
真横で描き始めたということは、眉間の線上に鼻が位置することになります。そして鼻と眉間の線上に顎の先端が位置します。
ここで注意しなければならないのは、十字の線が球体にあわせて歪むということです。
地球の経線・緯線は、平面地図上では直線で描かれますが、地球儀上では球体にあわせて歪んでいますよね。
直線で配置するとバランスが悪くなってしまうので注意が必要です。
さまざまな人の横顔を観察して描くことが重要
人の顔は円形で捉え、配置は十字線でつかむのが、横顔を上手く描くコツになります。
特に女性の顔は丸く、円形で位置を捉えやすいです。
しかしながら男性の場合は顔の骨格が面長の人も多いので、円を楕円にするなどの応用が必要になります。
とはいえ、コツはあくまで上手く描くためのコツに過ぎません。
絵の上達は反復練習が基本。画像検索や素材集を利用して、たくさんの横顔をお手本にしながら描いてみましょう。
自分の横顔を写真で撮るのは少々難しいですが、友人に協力してもらったり、無料の素材サイトを利用したりするのもオススメです。
デジ絵の場合、下書きレイヤーとして円を描いておき、上から形を描いていくのも良いでしょう。
CLIP STUDIO PAINTなど3Dの人形で好きなポージングを取らせることができるツールを使えば、角度の異なる横顔を描く練習をすることができます。
絵は描けば描くほど上手くなるものです。
さまざまなツールを使って練習を重ねましょう。
(制作:ナイル株式会社)
(執筆:哀川 空)
(イラスト:いしだ わかこ)
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