もっと魅力的なキャラを作ろう!ずっと使えるキャラクターデザインテクニック!

マンガには、そのジャンルを問わずいろいろな姿や性格をしたキャラクターが存在します。ここでは、そんなキャラクターたちを作るために必要な要素や順番などを解説していきます。『CLIP STUDIO PAINTでマンガを描く!』(マイナビ出版)から寺井赤音さんの解説を特別掲載!

 

9006_ (48)R2『ラブラビ!〜おおかみ君との恋愛事情〜(寺井赤音)』

 

SDキャラでデザインしてみよう

キャラクターデザインは、影(シルエット)でキャラクターが区別できるのが理想と言われています。

 

そのため、いきなり等身のキャラクターを描くのではなく、まずは「SDキャラクター(等身の低いキャラ)」でデザインをして、全員並べて比べてみるのがいいでしょう。

 

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すべてのキャラクターのデザインが終了したら、等身キャラクターのデザインに入ります。

 

キャラクターの「性格」を決定しよう

キャラクターのデザインが描けたら、今度は性格を決めて文字に起こしていきます。このとき、頭の中だけでどんな性格か考えるよりも、キャラクターを見ながら考えたほうが、どんな性格にするのかが浮かびやすいです。

 

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性格は「似たり寄ったり」にならないよう注意

キャラクターの性格については、外見同様に内面もそれぞれ個性があるため、「似たり寄ったりにならないこと」が理想です。今回の場合は、主人公(女の子)は「明るく天然」、男の子は「不良っぽい」、友達は「クール」と分けられます。
モブ同士などならともかく、主人公と似た性格のキャラクターを出すのは、特別な意図がない限り避けたほうが無難です。

 

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明るい性格の主人公が、不良っぽい男の子と絡むシーン。「活発な人」と「大人しい人」といったように、「真逆」の属性同士をぶつけた方が、お互いのキャラクターを引き立てあってくれます

 

お決まりの性格「プラス1」で濃いキャラクターが誕生!

性格を考える際、「真面目」「活発」「陰気」などのお決まりの性格にプラス1を加えるのも有効な方法です。核となる性格に真逆の要素を付け加えることで、「真面目だけど変態」といった、かなり濃いキャラクターになってくれます。

 

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「薄いキャラクター」をぶつけるのもテクニックのひとつ

ここまでは濃いキャラクターを誕生させる方法を説明してきましたが、登場キャラクターが全員濃くなってしまうのも考えモノ。

 

そんなときは、「平均的な普通の人」という薄いキャラクターをぶつけるのがいい方法です。「属性」と「濃さ」をバランスよく配合し、キャラ同士の掛け合いを充実させていきましょう。

 

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狼族の男の子にケンカを売るキャラクターたち。彼らのような薄いキャラクターを登場させることで、濃いキャラクターがより際立ちます。

 

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(↑大神くんにケンカを売るだけの「薄い」キャラクター)

 

■「人間観察」がキャラクター作りに役立つ!

性格を作る別の方法として、「人間観察」が挙げられます。

たとえば、あなたの友人が鯖味噌が大好きだとします。その特徴をデフォルメして、「鯖味噌が好きすぎて1日3食鯖味噌を食べているキャラクター」といった感じで、特徴を誇張するだけでも面白いキャラクターが生まれるのです。

 

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キャラクターのデザインが完成!

SDキャラクターから始まり、等身キャラクターを描いて性格を決定したら、キャラクターのデザインは完成です。

 

各段階を踏むごとに変化していく点も多く出てくるため、描きあがったらそのままOKとするのではなく、各キャラクターを再度チェックすることをオススメします。

 

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兎といえば「白くてふわふわ」というイメージを、髪の毛の感じや、制服・ソックスの色などにそのまま落とし込みました。

 

ちなみに、一度下ろした兎の耳を立っている感じに再度変更したのは、兎っぽさがもっと欲しくなったからです。

 

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「狼」といえば黒くて荒っぽそうというイメージがあったので、兎とは真逆に黒をメインでデザインしました。鋭い視線や腕に巻いた包帯など、荒々しさを前面に押し出すことを意識しています。

 

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主人公の友達として登場する予定だった女の子。猫をイメージしたため、スレンダーな体型や猫っ毛といった猫っぽい特徴を入れ込みました。また、兎や狼と同じにならないように意識したため、基本色をグレーでまとめています。

 

 ■完成後は登場キャラクターの比較をしよう

各キャラクターが完成したら、最後に登場キャラクターを並べて比較します。

 

ここで重要なのは、シルエットの調整のほか、白黒のバランスを確認すること。

 

今回は兎は白、狼は黒、猫はグレーといった感じに仕上げましたが、同じような色の配分になっていないか、しっかりとチェックしましょう。

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後ろ姿や持ち物を追加して描いておく

キャラクターを描く際には、そのキャラクターの後ろ姿や私物、マンガのシーンなどを書き添えるのがオススメです。

また、喋っている様子なども描いておくと、よりイメージが掴みやすくなります。

キャラクター設定は作品の骨組みなので、ないがしろにせずしっかりと作業しましょう。

 

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後ろ姿や私物を描き加えていく作業のなかで、自分でも気づかなかった部分や思わぬ設定が飛び出すこともあります。

モブキャラクターはともかく、メインキャラクターの場合は必ずデザインするようにしましょう。

 

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日常からヒントを得ることも重要

■キャラクターがカブらないように注意

キャラクターに限らず、デザインのコツは「日頃からいろいろな髪型や服装をインプットしておくこと」だと思います。

髪型ひとつとっても、自分の中にある程度ストックがあれば、デザインする際に非常に楽になります。周りの人だけでなく、ときには自然物などにも目を配り、デザインの引き出しを多くしていきましょう。

 

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※本記事はプロのマンガ家によるデジタルマンガ制作のコツを紹介する解説書、『CLIP STUDIO PAINTでマンガを描く!』(マイナビ出版)のからの特別版抜粋記事です。

 

 

実際の書籍『CLIP STUDIO PAINTでマンガを描く!』では今回の記事内容以外に寺井赤音先生をはじめとする4名の現役マンガ家によるネーム、下書き、ペン入れ、仕上げ…etcの解説が完全収録されています!

 

各作家さんごとにそれぞれのジャンルに適した描き方のポイントが豊富に解説されており、章ごとにの解説に使用した各作家さんの完全新作マンガも完全収録しているため、現役マンガ家によるデジタルマンガ制作の流れをばっちり理解することができます!

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『CLIP STUDIO PAINTでマンガを描く!』(マイナビ出版)

 

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