shichigoro-shingo先生(3)密度のある質感の描き方とそのコツ

前回は、顔の「線画 → テクスチャの適用」を行う作業の流れをみていきました。今回は、前回作成した顔に「明暗の追加」を行う作業の流れを確認しながらshichigoro-shingo先生のデジタルの特徴を生かした描き方を学んでいきたいと思います。

 

はじめに

今回は下図、赤枠内の工程「明暗の追加」を見ていきます。手順の前後や若干の差異はありますが、下図を思い浮かべながら実際の作業の流れをみていくと解りやすいかと思います。特にどのようにレイヤーが使用されているかに注目しながら作業を確認してみてください。

 

132_shichigoro-shingo先生ライブドローイング_003_001

 

明暗の追加

これより顔の明暗の描き込みを行います。基本的には、「新規レイヤーを作成→レイヤーの[合成モード]や透明度を変更→描き込み→ベースとなるレイヤーとの結合」を繰り返すことで、密度を上げていく制作方法となります。

 

・描き込み 1回目

まず新規レイヤーを追加します。追加した新規レイヤーの[合成モード]を[ソフトライト]に切り替えた後、エアブラシで描き込みを行います。描き込みが完了したらレイヤーを顔のベースのレイヤーに結合します。

 

132_shichigoro-shingo先生ライブドローイング_003_002

 

・描き込み 2回目

2度目の描き込みを行います。

先ほどと同様に新規レイヤーを追加して [合成モード]を[ソフトライト]に切り替えます。

エアブラシで全体的に影を追加したり、瞳や頬、口元や鼻に白を入れていきます。

描き込みが完了したらレイヤーを顔のベースのレイヤーに結合します。

 

132_shichigoro-shingo先生ライブドローイング_003_003

 

・描き込み 3回目

3度目の描き込みを行います。

先ほどと同様に新規レイヤーを追加して [合成モード]を[ソフトライト]に切り替えます。

エアブラシで口、目、首筋を描き足します。目の下に涙の流れた痕の様な模様を描き足すことでキャラクターの表情に深みが加わりました。最後に全体的にエアブラシを追加してバランスを調整した後、描き込みを行ったレイヤーを顔のベースのレイヤーに結合します。これで顔の明暗の描き込みの工程は完了です。

 

132_shichigoro-shingo先生ライブドローイング_003_004

 

今回は、「明暗の追加」の作業の流れをみていきました。

作品の迫力は、Shichigoro-shingo先生の画力、キャラクターによるところが大きいとは思いますが「新規レイヤーを作成→レイヤーの[合成モード]や透明度を変更→描き込み→ベースとなるレイヤーとの結合」を繰り返すことで密度を上げていく制作方法は、みなさんも参考になるのではないでしょうか。

 

次回は、「カラーの追加」の作業の流れをみていきます。

 

Shichigoro-shingo
イラストレーター
1977年、神奈川県生まれ
2010年よりインターネットを中心に創作活動を開始。
機械と生命が融合した様な独特の世界感が好評を博し、
世界中のファッションブランドや音楽レーベルとコラボをするなど、
インターナショナルに創作活動を展開。
日本国内でも2015年に学校法人モード学園 TVCM・広告イラストを手掛け話題に。
ASIAGRAPH 2011 最優秀作品賞 受賞。

Web:http://shichigoro.com/
Twitter ID:@shichigoro756

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