『可愛い男子』・『カッコいい女子』を愛せ!男女の間にあるヒミツを教えます

男女の絵

「スカートなら女の子、ズボンなら男の子」と、男女の描き分けを洋服に頼っていませんか? うまく性別を描き分けられないのは、男女の身体差をつかめていないからでしょう。読者に伝わるよう、男の子・女の子をうまく描き分けるコツについて考えていきましょう。

 

顔で変わる男の子・女の子

 

バストアップで男女を描いた場合、「がっしりした感じにしたいのに、男の子っぽくならない」とか、「胸のラインが描けないから女の子っぽくならない」とか、悩みはいろいろあるかと思います。顔の場合、輪郭や目の男女差をしっかり意識して描くことで、男の子っぽく・女の子っぽく描くことが可能です。

 

■男の子は鋭く、まっすぐ、はっきりと

 

男の子の場合、頬のラインがシャープでまっすぐになります。口元も女性より大きめになり、顎はがっしりと頑丈な作りです。
また、目と目の間から鼻筋をしっかりと描きましょう。眉は太くはっきりと、さらに眉間を狭くすると、ぐっと男性的になります。

 

目を大きくすると可愛い印象になり女の子っぽくなってしまうので、小さめにすると良いでしょう。少女マンガを見てみると分かりますが、女の子は目が大きく、対照的に男の子は目が小さく描かれています。
全体的に直線的でやわらかい線が少なく、目以外のパーツを大きめにはっきりと描くと男性らしくなるのです。

 

 

■女の子は丸く、可愛く、柔らかく


女の子の場合、顔や頭は丸を意識します。顎も鋭くしすぎてしまうと女性らしさがなくなってしまうので、小さく、丸くなるように気をつけましょう。
男性の場合は鼻や口をはっきり大きめに描きましたが、そうするとゴツゴツした印象になってしまうので、女性の場合は反対の描き方をします。

 

可愛い女の子を目指すなら、目は大きく、特に黒目の比率を大きくしましょう。周りの女性を観察してみていただきたいのですが、目のふちに黒のアイラインを入れたり、黒目が大きく見えるコンタクトをしていたりしますよね。これは目をできるだけ大きく、パッチリ見せるための工夫です。つまり目が大きくなると可愛らしく見えるのです。

 

また、目の位置を顔の上寄りにすると大人っぽく、顔の下寄りにすれば幼い印象になります。

全身におけるキーワードは、「開く」と「閉じる」

 

顔の次は、全身です。胸が大きければ女の子、なんて単純な描き分けではキャラクターの幅が限られてしまいます。「身長が小さい男の子」や「身長が高い女の子」もきちんと描けるよう、抑えるべきポイントを見ていきましょう。

 

 

■男の子は、足も脇も「開き気味」

男の子の場合、肩幅は頭3個分とされています。肩幅をがっちりと描くと、男らしさが高まります。また、一般的な男性は大体7頭身とされているので、女性よりも体を大きめに、胴も心持ち長めに描くとよいでしょう。
女性と違ってウエストにくびれもないので、どちらかというと”ずんどう”タイプです。

 

背の低い男性や、性差の出にくい少年を描く場合は、ポーズで特徴を出すようにします。一番分かりやすいポイントは、ガニ股にするということ。直立の際も、爪先を外側に向け、足を開き気味に立たせると男性らしくなります。脇も開き気味で、腕がぴったり体に寄り添わないようにすると、より男の子っぽさを演出できます。

 

 

■女の子はしとやかに「閉じ気味」で

女の子の場合、肩幅は頭2から2.5個分とされています。肩幅が小さく、首も細めに描くと女の子らしさが高まります。
また胸のふくらみから、ウエストの絞りにかけてのラインが曲線を描くよう意識します。

 

 

女の子っぽさを強調することが難しい、背が高くてスレンダーな女性や小学生くらいの女の子を描く場合は、男の子をガニ股に描いたのと反対に、内股気味にするようにしましょう。

 

女の子は四肢を「閉じる」というのが特徴です。直立の際も、爪先は前か、少し内側くらいのつもりで描くとよいでしょう。脇や肘はきゅっと閉めて、体から大きく離しません。こうすると男性より融和的な、やさしい女性の雰囲気を出すことができます。

 

 

歌舞伎や日舞は最高のお手本

 

歌舞伎や日舞では、男性が女性の役を、女性が男性の役を演じることがあります。演者は仕草や動作のつけかたで性別を表現しなくてはなりませんので、こういった舞台を見ると「男らしさ・女らしさ」を視覚的につかむことができるでしょう。

またデジタルツールを活用する場合には、レイヤーを分けておけば肩幅や目の位置なども簡単に変更できますので、男性を描いた後パーツを拡大縮小させて、「どこをどうすれば女性になるのか」を確認してみるのもよいでしょう。ぜひ一度試してみてくださいね。

 

(制作:ナイル株式会社)

(執筆:哀川 空)

(イラスト:いしだ わかこ)

 

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