知っておきたい!ファイル形式にはどんなものがあるの?
作品を保存するには、さまざまなファイル形式があります。WEBに公開したい、印刷物に使用したい、友達同士で合作をしたいなど、作品を制作する目的に応じて、保存するファイル形式は異なります。
ファイル形式とは
編集したイラストをデータ(ファイル)として記録するためのルールのようなものです。たとえば、レイヤー構造をそのまま残して記録したい、WEBページで表示できるように記録したい……など、目的に応じて、記録するためのルールがあります。
ファイル形式は、ファイル名の後ろに付いている拡張子で区別できます。たとえば、「イラスト.jpg」のようなファイルの場合、最後の「.jpg」が拡張子にあたります。
ここでは、主なファイル形式について紹介していきます。
必ず独自保存形式で保存しよう
独自保存形式とは、各ソフトウェア固有のファイル形式です。
おもなソフトウェアの独自保存形式
- Photoshop:Photoshop形式(拡張子:psd)
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ):CLIP STUDIO FORMAT形式(拡張子:clip)
- SAI:SAI独自バイナリ形式(拡張子:sai)
独自保存形式は、レイヤー構造や効果などの数値を維持したまま保存できます。そのため、保存したファイルを再度開くと、同じ状態から編集できます。作品を制作したら、必ず独自保存形式で保存しておきましょう。
同じソフトウェアを使っている友達と合作をする場合は、独自保存形式で保存しておくと便利です。ただし、独自保存形式で保存したファイルは、他のソフトウェアで開けません。WEBや印刷物に使用する場合は、それぞれ適したファイル形式があります。
WEBに公開するためのファイル形式
WEBに公開するためのファイル形式は、JPEG形式・PNG形式・GIF形式の3種類です。ここでは、それぞれの特徴について紹介します。
JPEG形式(拡張子:jpg・jpeg)
色数が多い作品の保存に向いている形式です。画像の圧縮率を設定でき、ファイルサイズを小さくできます。圧縮するほど、ファイルサイズを小さくできますが、画質が劣化します。
PNG形式(拡張子:png)
JPEG形式同様に色数の多い作品の保存に向いている形式です。画像を圧縮しない分、画質が劣化しませんが、ファイルサイズが大きめになります。また、透明部分の情報を持った画像ファイルを作成できます。たとえば、イラストの周囲が透明なLINEのスタンプは、PNG形式で作成されています。
GIF形式(拡張子:gif)
GIF形式は、色数の少ない作品の保存に向いている形式です。最大256色までしか表現できないため、ファイルサイズを小さくできます。グラデーションなどの階調がある場合、下図のように段差が発生します。GIFもPNG同様に透明部分の情報を持った画像ファイルを作成できます。
通常の画像保存のほか、複数%の画像を1つにまとめたアニメーションGIF形式もあります。ブラウザなどで再生できるアニメーションを作成できます。
印刷物を作るためのファイル形式
印刷物を作るためのファイル形式で代表的なものは、Photoshop形式・TIFF形式の2種類です。ここでは、それぞれの特徴について紹介します。
なお、印刷用の原稿を入稿する場合は、入稿先の印刷会社や出版社によりルールが異なる場合があります。作品を作成する前に、入稿先の会社のサイトなどを確認することをおすすめします。
Photoshop形式(拡張子:psd)
Adobe(R)Photoshop形式の独自保存形式です。Photoshopは印刷会社で使用していることが多いため、標準的なファイル形式として使われています。主なグラフィックソフトウェアでは、この形式で保存できるようになっています。
作品のレイヤー構造を維持することもできますが、ソフトウェア独自の機能やレイヤーについては、他の環境で編集できない状態で保存される場合があります。異なるソフトウェア間で、作品を合作する場合にも使用できます。
グラフィックソフトウェアによっては、印刷用にカラーモードをCMYK(※)に変換して保存できます。
TIFF形式(拡張子:tif・tiff)
作品のレイヤー構造を維持せず、レイヤーを1枚にまとめた状態で保存できます。画像を圧縮しないため、ファイルサイズが大きくなりますが、画像が劣化することはありません。
お使いの環境によっては、カラーモードをCMYK(※)に変換できるため、印刷物向けとして利用しやすい画像形式です。ただし、グラフィックソフトウェアによっては、対応していない場合があります。
※CMYK:
PCの画面上で表現される色をRGBカラー(加法混色)、インクなどの塗料で表現される色をCMYK(減法混色)と呼びます。PC画面上での彩色はそのまま印刷物で再現することができない場合がありますので、印刷目的の場合にはCMYKモードを使用する場合があります。
その他のファイル形式
その他の一般的なファイル形式について紹介します。
ビットマップ形式(拡張子:bmp)
Windows標準の画像形式です。画像を圧縮しないため、ファイルサイズは大きくなりますが、画像が劣化することはありません。また、レイヤー構造は維持されません。
TARGA形式(拡張子:tga)
アニメーション業界で使われていることが多い形式です。画像を圧縮しないため、ファイルサイズは大きくなりますが、画像が劣化することはありません。また、レイヤー構造は維持されません。